これまでイヤホンはShure社の“SH530”なるものを使用していました。もちろん今でも使用しています。このイヤホンは音質は非常に好みに合っていてお気に入りなのですが、1点だけ気に入らない点があります。それは、ケーブルが破損しやすいということです。
Shure社の製品はSH530に限らずケーブルが弱いです。1年少しでケーブルの被覆がはがれてしまい、断線しそうです。ホームページを検索したところ、同様のレポートがいくつも見つかります。音はいい。だけどランニングコストが高くつくということと、違う音質を楽しんでみたいという贅沢な欲求により新しいイヤホンを購入することにしました。
SE530は低音から良く出て音の広がりもある感じなのですが、その分音の解像度が落ちている気がしました。そこで、解像度が高そうでSE530とは性格が違うATH-CK100を選択しました。
ということで・・・レビューじみたことをしてみたいと思います。ちなみに、購入して1日ちょっと。いわゆるエージングというのがまだまだ続く状況です。
ATH-CK100はエージングに時間がかかるということなので、時間が経てば感想もかわってくるかもしれませんが書いてみます。
==デザイン==
SE530より小振りで扱いやすいです。
ボディの一部にはチタンを使用しており、遠目に見ると格好いい。しかしよく見ると、仕上げが日本製らしからぬところがあり、少し安っぽく感じられるところがあるのが残念。
==ケーブル==
ケーブルも仕上げがあまり良くない。しかし、ケーブルは太めで柔らくしなやか。扱いやすいし、Shure社の製品よりは断線の心配がないように感じられました。ただ、実際のところどうなのか?は使い込んでみないことには分かりません。言えることは、ケーブルがしなやかな分、取り回しが楽ということでしょう。
現実的な欠点は、iPhoneで使用するには15cmほど長さが足りないように感じられることでしょうか。身長が高いのも要因としてあるのでしょうが、“Shureがけ”をして腕をのばしたら、ケーブルがピーンと張ってしまいます。また、iPhoneを操作していてもピーンと張ってしまいます。
==中高音の音質==
非常にクリアで解像感があります。女性ボーカルやピアノがクリアでぞくっときます。この感覚はSE530では一歩劣るかもしれません。
音の広がりについてはSE530のほうがうわて。上下左右ともにとE530のほうが広がる感じです。ボディがSE530のほうが大きいのですが、その分うまい具合に内部の反響が発生しているのかもしれません。
==低音の音質==
各所で言われているように、ATH-CK100は低音の音量が少なめです。ただし、原音に忠実であるとも言えます。
誇張していないのです。低音が少ないことにより、ロック等の激しい感じの曲、低音が効いた曲は物足りなく感じられるかもしれません。一方、私が好きなジャズについてはクリアなウッドベースが気持ちを高ぶらせます。
==携帯性==
ハイエンドモデルはケーブルがデリケートで扱いにくいなーと思っていたのですが、ATH-CK100はそんなことはありませんでした。装着も気軽にでき、収納ケースへしまうのも楽です。
収納ケースは四角く余分なスペースを取らないようにできているのですが、少々大きいと感じました。
==総評==
ジャズを聴くならATH-CK100もいいなーと思えました。何より気軽に扱えるのが良いです。時々ソウルミュージックも聴くのですがこちらも良い感じです。歌声が、息づかいがダイレクトに伝わってくるようです。
いっぽうでロックや低音を効かした打ち込み系の音楽は物足りなくなりそうです。
ジャズは古くに発表された作品を沢山持っているのですが、その時の録音技術によるのでしょう。高音がカットされたような音質の作品が多いのですが、原曲を忠実に再現しようとするATH-CK100は少し物足りなく感じられるのも事実。
こうやって文面にしてあらわしてみると、1つのイヤホンで万能にこなすというのは難しいのかもしれないし、音の好き嫌い、イヤホンと楽曲の相性などもあるのかも。