上原ひろみ BEYOND STANDARD Tour at 厚生年金会館芸術ホール

演奏はとにかく素晴らしいの一言。上原ひろみの演奏を生で聴いたのですが、改めてこの方の楽曲、演奏、本人自身に関しても気配りに満ちあふれているように感じられた。

些細なことだけれども、お辞儀が深い…深すぎます。そして長い…登場していきなりお辞儀をするんだけど、そっからもう拍手喝采でした。きっと彼女の気配りをよく知っている人たちの拍手だったんでしょう。

演奏は最新アルバム『BEYOND STANDARD』の名を冠したツアーにふさわしく、このアルバム同様『INTRO: SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE』でスタート。途中、別のアルバムからチョイスした曲を交えながら進行。個人的には『上を向いて歩こう』も熱い (^^;;

前半は元の曲がはっきり分かるアレンジ、しかし徐々にメロディラインが分解され、彼女なりの解釈に。

坂本九の歌うメロディラインはちょっぴりサウタージを感じるんだけど、上原ひろみのアレンジはクラシックっぽくて(だけど)スリリングさを感じます。この曲を終えて一旦休憩。でも終わっちゃったと感じた一部の観客がアンコールの手拍子を数秒打ってました【汗】それくらい白熱していたということでしょうか。

後半は彼女のデビューアルバムの1曲目を飾ったXYZがアレンジされ、BEYOND STANDARDで復活したXYG』でスタート。続いて『Double Personality』でヒートアップ、聴くほうもしびれっぱなし。『トムとジェリー』を曲中に溶け込ませて笑いを誘うサービスも。演奏もありとあらゆる奏法が織り込まれ、さらには立って弾いたりジャンプしながら演奏したり、さらには『ひじうち』だったりで、聴いててドキドキ、見ていてドキドキといった感じでした。

アンコールの手拍子もヒートアップ。お客さんの手拍子がめっちゃ早い。お客さんもパワフルです。

アンコールでのMCでこの日を演奏に感謝。ほろりと涙を流す上原ひろみを見て、思わずこちらまでほろりとしてしまいました。

最終曲Time Outではファンの野太い声がこだました【汗】(ファンは女性が若干多めに見えたんだけど)なんだかアイドル全盛時代の親衛隊か、Xの同名の曲でのかけ声を彷彿。ちょっとびっくり。

彼女のアルバム、あるいは彼女自身がCDショップでは『ジャズ』にカテゴライズされているが彼女はジャズを演奏しているつもりはないんだとのこと。ジャンルには拘っていないんでしょう。実際今回のアルバムやツアーで披露された曲はクラシックあり、ジャズあり、ロックあり。ジャズについていえば、『どジャズ』から徐々にその色合いを抜いていく演奏が披露された。ジャズと言えば根底にはジャズとバラードがあると思っている

んだけど、そういう臭いもほとんどしない。それが彼女の示すジャンルにとらわれないという方向を示しているのかもしれない。

このように素晴らしい演奏だったんだけど残念なのが前半のピアノのチューニングとミキシング。

微妙に調律が狂っている気がしていたのと音が他の楽器に比べてくぐもっているなーと思っていたんです。また主役がピアノであるはずなのに妙に音が小さい。おっかしいなーと思っていたら休憩中に調整していました。

私に気づかれるんだからよっぽとの不手際なんだと思います。リハーサル中にきっちり調整を済ましてほしいもんです。当然調整後の後半は問題なし。聴いてるほうもほっとしました。

# INTRO: SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
# SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
# LED BOOTS
# CLAIR DE LUNE
# MY FAVORITE THINGS
# UE WO MUITE ARUKO
-intermission-
# XYG
# Double Personality
# I’VE GOT RHYTHM
# CARAVAN
-encore-
# PLACE TO BE(Solo)
# Time Out