これまで電子工作ではArduinoを使用してきましたが、幾つかの要因が相まってARMマイコンを使用することにしました。電子工作で使用できそうなARMマイコンもいくつもあり迷ったのですが、STM32を使用することにしました。厳密に比較したわけではないですが、CPU種類がいくつもあり用途により選択の幅が広いこと。
当方はMacを使用しているのですが、Macでの環境構築を行っているとの情報が少ないために結構苦労しました。そこで自分自身の備忘録の意味合いも込め、ここにMacにおける環境構築手順を記載します。
なお、STM32の環境は、Standard Peripheral Libraryが過去に使われていたものの、最近はSTM32CubeMXを使用した環境に置きかわりつつあります。ここでは、そのどちらもインストールします。
参考文献
STM32F3DISCOVERY on Mac OS X using Eclipse, GCC ARM and OpenOCD | David Rojas
Standard Peripheral Library / STM32CubeMX共通の対応
Eclipse本体のダウンロード
Eclipse Downloads から、 Eclipse IDE for C/C++ Developers をダウンロードします。
Eclipseプラグインのインストール
Eclipse CDT
Eclipseを起動し、 Help >> Install New Software… からCDT関連のツールをインストールします。
- Autotools support
- Autotools support Source
- C/C++ C99 LR Parser
- C/C++ GDB Hardware Debugging
- C/C++ Memory View Enhancements
- C/C++ Memory View Enhancements Source
- C/C++ Unit Testing Support
- C/C++ Unit Testing Support Sourde
Zylin embedded CDT
Work with: に Zylin Embedded CDT Plugin – http://opensource.zylin.com/zylincdt と入力し、Zylin Embedded CDT を選択します。
Standard Peripheral Library特有の設定
Eclipseプラグインのインストール
GNU ARM
Work with: に CDT GNU ARM – http://sourceforge.net/projects/gnuarmeclipse/files/Eclipse/updates と入力し、 GNU ARM C/C++ Cross Development Tools を選択します。
Toolchain
GCC ARM Embedded project files : GCC ARM Embedded からMac向けのtoolchainをダウンロードします。当方がインストールする際 gcc-arm-none-eabi-5_2-2015q4-20151219-mac.tar.bz2 が最新であり、こちらをインストールしました。gccはバージョン5となっておりましたが、特に問題ありませんでした。ダウンロードしたら、任意のディレクトリに展開します。当方は、 ${HOME}/opt ディレクトリを作成し、こちらに展開しました。
STM32CubeMX向けの環境を構築する
Eclipseプラグイン
STM32CubeMX
STSW-STM32095 STM32CubeMX Eclipse plug in for STM32 configuration and initialization C code generation – STMicroelectronics から サンプル&購入 にある Download ボタンを押下してダウンロードします。
Eclipseを起動し、 Help >> Install New Software… からダウンロードしたファイルをインストールします。
SW4STM32 System Workbench for STM32
SW4STM32 System Workbench for STM32: free IDE on Windows and Linux – STMicroelectronics にある ソフトウェアの取得 から Go to Site ボタンを押下します。
こちらにEclipseプラグインのインストール手順が記載されています。
Work with: に OpenSTM32 – http://www.ac6-tools.com/Eclipse-updates/org.openstm32.system-workbench.site と入力します。
- ARM Compiler for MCU(for Mac OSX 64 bits)
- OpenSTM32 IDE
- OpenSTM32 Linker Script editor
をインストールします。
ここまでで、ひとまずEclipseでビルドまでできるようになります。その手順は後日紹介したいと思います。