スコラ|音楽の学校 for Jazz

5月に入り、『スコラ|坂本龍一 音楽の学校』のお題はJazzになりました。ゲストは山下洋輔氏。
先日、Jazz編としては初回が放送されたのだけれども、この内容は非常に秀逸で、Jazzを知っていると自負する方から難しそうと理解している方まで楽しめるのではないか、と感じました。このように感じたのは、かつてNHK(教育テレビの方だったと思います)で秋吉敏子氏がJazzの歴史を解析しながらJazzの魅力を語っていた番組(番組名は失念)以来です。

なんといっても初回にも関わらず、Jazzの歴史と魅力を同時に伝えているところが秀逸です。演奏している方が楽しそうで、観ているほうも楽しくなります。番組の最初のほうでは、かつての悲しい歴史を背景にして、西洋とアフリカの音楽が融合してJazzのもとになるいくつかの音楽が発達してきたこと、そしてJazzと呼ばれる初期の音楽の紹介。さらにJazzにおける音の構成についての解説。
4月度に放映されていたバッハの回をチェックしていたら、より理解できる内容となっていました。

この回秀逸だったのが即興性に関する解説でした。ブルーノートについての解説、とりわけブルーノートと即興演奏の関係について解説し、また別の特徴であるコール・アンド・レスポンスについても解説します。まずは調和すれば良いという緩やかなルールを有名な曲『故郷の人々(スワニー河)』をジャズ風にアレンジして実演し、これが前述の解説に関連していくのだけれども。

坂本龍一氏がCDにおさめた音楽にはほとんどジャズとカテゴライズされるものは発表していない。そういうところもあって、山下洋輔氏が解説したら、都度ピアノでぽろりと弾いてしまうくらい新鮮だったのかもしれません。そんなところが、普段難しい顔をして難しい話をする坂本龍一氏とはまた違った一面が見られた気がして楽しい。

中高生とセッションをして体験する部分ではコール・アンド・レスポンスをお題にしていました。
『コール』の部分を山下洋輔氏、坂本龍一氏、大谷能生氏が即興演奏し、『レスポンス』を中高生が演奏。

レスポンスは規則に従った演奏になっていることで、コールがハメをはずしても成り立つことを体験。ハメをはずしすぎかもしれないけど楽しめました。

最後は『故郷の人々(スワニー河)』リプライズ。田中邦和ジャズトリオを迎えての前半とはまた違ったアレンジ。坂本龍一氏のちょっと不思議なアレンジも相まって、楽しく終わったのでした。

次回が待ち遠しいです!