SADEの新アルバム『SOLDER OF LOVE』を早速聴きました。
私の場合はごく最近知ったのでさほど深い思い入れはありませんが、前作から
10年間待ち続けた方々にとっては『やっと出たか』という感慨にも似た気分に
なるかもしれませんね。
曲はタイトルから想像される、時として情熱的で破壊的な雰囲気はありません。
そこには、スローテンポで抑揚もあまり感じられないつくりの曲が次々と流れてきます。
まだ1, 2度聴いただけであり、今後重ねて聴いていくうちに印象が変わるのかもしれないけど、今の私の場合は次のとおりです。
ボーカルも演奏陣も頑張っているし、聴かせどころも作ってあると思うんだけど、それを台無しにしているのがミキシングなどを行うエンジニア陣にあるのではないかと思う。耳を澄ませて聴けば聴くほどにボーカルと演奏が乖離している気がしてならないのです。これがとても残念。これによるのでしょうか。曲の雰囲気は破壊され『ヘタウマ』と感じさせたボーカルも、下手にしか感じられなかった。
残念。
次に矢野沙織の『BeBOP at The SAVOY』について。
矢野沙織については、期待した分と同等程度の演奏をしてくれていた。彼女の演奏の最大の改良点は次の音にうつる時、または一旦演奏を止める際、すーっと止めちゃうんですね。
なんだか味気ない。
反面、ビバップの真骨頂とも言える、コード進行を崩して代理コードで組み直すというんでしょうか、音楽に詳しいわけでもないのでうまく説明できませんが、その代理コードで吹きまくるところはうまくなった気がします。
昨今のジャズはクラシックよりの演奏が一つのムーヴメントであり、ビバップの新譜自体が少ないこともあるので、彼女のようにビバップぎっしりのアルバムを発表してくれるというのは個人的には嬉しくもあります。
彼女は高校生の時にデビューし、ビバップを中心に楽曲を発表してきましたが、そろそろ違う側面も見たいというのは贅沢でしょうか。