Playing The Piano featuring Taeko Ohnuki

坂本龍一のコンサートに行ってきました。世間の評判は上々みたいで、それは当然1ファンとしては否定しないけれども、一方で少々物足りない気がした。

一言で言えば、コンサートは大貫妙子さん曰く『深海の中にいるような』がぴったり。過去の坂本龍一、特に70年代から80年代に発表された楽曲がお気に入りなので、更にそういう気持ちになったのかもしれません。体力的に大丈夫なのかな!?と心配にもなりました。

これを、見方を変えれば『円熟味を増した』音楽とも言えるかもしれないですね。彼独特の、常時テンポが揺れる演奏は更に磨きがかかり、ポロリと奏でる音がとても切なく感じられました。まま、これはこれで良いのでしょう。

ちなみに曲目は以下のような感じに。

* Still Life
* In the Red
* Nostalgia
* Tama

ここまで、アルバム『Out of Noise』から。サンプリングした音にピアノで音を載せるのは、アルバムと同じやり方。教授の解説はありがたいが、ライブ感はなかったかな。もう、深海の奥底です。

その後、過去の発表曲を気の赴くままに。

* A Flower is not a Flower
* Energy Flow
* 美貌の青空

アルバムやライブで発表される毎にどんどん曲の雰囲気が寂しくなっています。

このへんで大貫さん登場。

* 色彩都市
* Tango
* 懐かしい未来へ
* 鉄道員

大貫さんとの演奏では、一点してポップな雰囲気に。教授も楽しそうに弾いています。その後再びソロとなり、定番ともいえる楽曲へ。

* women without men
* The Last Emperor
* Merry Christmas Mr.Lawrence

woman〜は最近作った曲だそうで、原曲も知らなかったのでなんとも言えませんが、『The Last Emperor』『Merry Christmas Mr.Lawrence』はすばらしい出来でした。かつての力強さはほどほどに、情感を全面に出した演奏です。

ここで大貫さん登場。

* 突然の贈り物
* 風の道

あたりを演奏して終了。

終了のアナウンスとともに照明が点いてもしばらく拍手とアンコールの手拍子が止まらなかったので、満足された方が多かったのだと思います。

ところで、今回の会場は『イオン化粧品 シアターBRAVA!』というところでやったのですが、お世辞にも音があまり良いとは言えず残念です。問題は大阪にはコンサートで使用して音が良いと感じられるホールが少ないことなんじゃないかと思っています。会場が大きくて音も良かったフェスティバルホールは改装工事中、厚生年金会館大ホールはなくなる予定。ホールの数は多いかもしれないんだけど。

BRAVA!の音が良くないと感じたのは、今回のセッティングのせいだけで本来のポテンシャルを発揮していないのかもしれないけれども、ピアノの音と大貫妙子さんのボーカルが分離したまま耳に届く状態でした。ホールのつくり自体は悪くなさそうだったので、エンジニアの方々には頑張っていただきたいです。