ボサノバといえば、昼下りにのんびりと聴くというイメージがあり、確かにそういう音楽も多い。しかしながら、そういう音楽ばかりだと食傷気味という方も多いのでは?そういう方にお薦めなのが、このアルバム。
この方のリーダー作はこの一作のみ。こんなにいい作品が出せるのだったら、他のも作っても良かったのに。そういう思いを強くしながら少し調べ、分ったこと。それは若くして銃殺されてしまったとのこと。しかも、何か犯罪を犯したわけでもなく…
アルバムはジャズとボッサを融合した感じ。ピアノとホーンセクションが心地良く絡み合う。
アントニオ・カルロス・ジョビンみたいに静けさの中にもドキドキするような音楽でもなく、小野リサのような、ひたすらのほほんとした雰囲気のみを醸し出しているわけでもありません。ボッサに山椒のようにピリリと効いたジャズの要素が楽曲を引き立てています。
Amazonや個人のHPでの評価は『これ以上のものはない』と言わんがばかりの評価だけど、私はそこまでは思わない。だけど、スリリングとまではいかないものの、ちょっとした驚きがあったりする演奏なので、あまりジャズ・ボッサに触れたことがない方からそうでない方まで楽しめるアルバムです。